6.大阪の畜産
大阪の畜産は大規模な専業的経営により多頭化が進み、「都市畜産」といわれる独特な形態で大きな生産額をあげています。  しかし、糞尿処理など都市化の進展に伴う生産環境の悪化や輸入牛肉の影響による畜産物価格の低迷、BSE問題等により、総飼養戸数・総飼養頭羽数は減少傾向にあります。
●資源再利用のエコロジー
農業は他の産業活動とは異なって、生産工程の基礎を自然の物質循環の中においており、適切な活動を通じて環境保全に貢献してきました。  大阪でも従来、都市で排出された残さ物が農業に利用され、生産された農畜産物を再び都市に供給する、という資源の循環が行われて来ました。この循環は畜産に利益を与えると同時に、都市にも残さ物の処理経費節減などで大きな利益をもたらしてきました。  残念なことに、時代とともに経済合理性が農業にも強く求められるとともに、都市の過密化から家畜糞尿処理も問題となり、現在ではこうした循環の輪が崩れています。  しかし、一部の肉牛農家のグループが梅酒会社と協力して、安心して消費者の皆様に食べて頂けるおいしい牛肉を作りました。梅酒を漬けた後の漬け梅を牛の餌としてリサイクル利用しています。梅の実は食物繊維を多く含んでいるので健胃整腸効果があります。そのおかげで、健康に育った肉牛です。また肥育目的(増体目的)の抗生物質も使用していません。  こうして生産された牛肉は「ウメビーフ」として、消費者に高い人気を得ています。牛にも環境にも優しい「一石二鳥」の資源循環型の牛肉生産システムは大阪ならではの「都市畜産」の代表例と言えます。
「大阪ウメビーフ」の詳しい情報は((社)大阪府畜産会のホームページ)
http://osaka.lin.gr.jp/guest/ume/umebeef01.htm